冬の西郷山公園。
目黒川に続く段丘地を利用して造られた公園である。
椿が咲く階段を上ると、展望が開けた場所に出る。写真の場所から少し進むと、池尻や中目黒方面の眺望が開け、晴れた日には富士山を望む。
東京都目黒区青葉台二丁目のこの土地は、かつて西郷山と呼ばれていた。由来は西郷さん、西郷隆盛である。と言っても西郷さんが住んでいたわけではない。
この一帯は江戸時代、今の大分県、豊後の岡(竹田)城主、中川修理大夫の抱屋敷だった。自ら購入した土地に建てた屋敷である。ちなみに幕府から与えられた土地に建てたものを拝領屋敷という。
明治の世になり、近郊随一とうたわれたこの美しい土地を手に入れたのは、西郷隆盛の弟の従道である。下野した隆盛のために購入したのだが、隆盛が自刃した後、自ら別邸として利用した。