第2回 コンポジットの争い -中空ゴルフクラブヘッド事件の残像-

 遡ること十数年前、ゴルファーの皆さまにはPRGRでお馴染みの横浜ゴムから、新潟県が誇るスポーツ用品メーカーのヨネックスに対して、一通の警告状が送られました。これをきっかけに勃発したのが、中空ゴルフクラブヘッド事件です。

 本稿は、この事件を題材にして、これからの特許実務を考えようという試みです。

 御一読いただければ幸いです――。

 

   第1話 プロローグ
   第2話 中空ゴルフクラブヘッド事件のあらまし
    (1)背景
    (2)経緯
    (3)PRGR特許の内容
      (a)発明が解決しようとする課題
      (b)発明の構成
        (ⅰ)PRGR特許の欠落(その一)
        (ⅱ)PRGR特許の欠落(その二)
      (c)発明の効果
    (4)判決
      (a)概要
      (b)ヨネックスの製品群
      (c)技術的範囲の属否-文言侵害
      (d)技術的範囲の属否-均等侵害
   第3話 中空ゴルフクラブヘッド事件から得られる教訓
    (1)PRGR特許の発明の本質
    (2)発明の把握
      (a)金属ヘッド部材と縫合材との構造的な連結態様
      (b)縫合材の材料
   第4話 エピローグ